自社の想いやノウハウを込めた商品をお客様に手にしていただくことは、開発や製造、販売を手掛ける側にとって大きな喜びややりがいとなります。
しかし、お客様の手に渡ったからといって、お客様との関係がそれですべてが終わるわけではありません。
場合によっては様々な理由で商品が返品されてしまうケースもあり、その対応には想像以上の手間や時間が割かれてしまう可能性もあります。
ここでは、そうした返品処理の作業から顧客満足度を高める方法や、返品処理をアウトソーシングすることによるメリットなどについて紹介します。
商品を購入したユーザーが何らかの理由で返品を希望する際に、販売側が該当の商品をユーザーから受け取り、検品して交換や返金を行うまでの一連の流れを「返品処理」と呼びます。ユーザー側の都合によるものから、販売側の過失によるものまで、返品が行われる理由は様々です。
アメリカの小売業向け商品処分プラットフォームを運営する「B-Stock」によれば、実店舗で購入した店舗の返品率は8%程度ですが、ECサイトで購入した商品の返品率は15~30%にも上る可能性があるとされています。
商品の返品率が高くなると、売上が伸びないだけでなく返品コストもかかるため、販売側にとっては多大な損失につながりかねません。
また、返品処理対応の過程でユーザーとトラブルになれば、お店の評価を下げる要因にもなります。
とはいえ、必ずしも悪い側面ばかりではありません。もしユーザーが返品を希望した場合でも、返品をスムーズに行えれば、また同じお店で購入したいと思ってもらうことができます。高い返品率を機会損失と捉えずに、次回へのチャンスにつなげられるような返品対応が重要です。
商品の返品理由は、一般的に「ユーザー側の都合によるもの」と「販売側の都合によるもの」に分かれます。
ユーザー側の都合は必ずしも販売側に原因がない場合もありますが、販売側の都合による返品は顧客満足度を大きく損ねるケースも少なくありません。
「サイズやカラーを誤って注文した」「商品がイメージと違った」「注文したものの不要になった」などが、ユーザー側の都合による返品理由として考えられます。
サイズ間違いや商品のイメージが上手く伝わらなかったといった理由に関しては、単にユーザーが誤って購入してしまっただけの場合もありますが、店舗側の分かりにくい表記が返品を招いている可能性もあります。
時には販売方法を見直し、改善できないか検討することも大切です。
サイズやカラーが異なる商品を出荷してしまった、初期不良のある商品や全く別の商品を販売したなどの理由で返品対応に発展するケースがしばしばあります。
ユーザー側の落ち度ではないため、顧客満足度を著しく下げる原因にもなりかねません。この場合は販売側の負担で返品を受け付け、丁寧に対応をする必要があります。
ユーザーが商品の返品を希望する場合、店舗で購入した商品であれば、購入時の状態でレシートと一緒に持参し、店舗のスタッフが返品理由を確認の上で交換や返金を行うのが一般的です。サイズやカラー間違いなどの場合は正しい商品に交換を行い、誤って購入してしまった場合は返金するケースもあるでしょう。
ECサイトなどで購入した商品なら、基本的には販売側の規定に従ってユーザーが自分で商品を送り返しますが、中にはサイト側が集荷を手配する場合もあります。
初期不良など販売側の落ち度で返品が必要なときは、ユーザーに負担がかからないように着払いで返送を依頼するケースもよくあります。
商品が店舗に到着したら、スタッフが検品を行って破損などの確認を行い、交換や返金などの対応を行います。
では、返品処理において顧客満足度を向上させるためにはどのようなことを気にしておけばいいのでしょうか。3つのポイントに分けて紹介します。
ユーザーから返品したい旨の連絡があったら、できる限り速やかな対応を心がけましょう。返品の理由がどんなものであっても、長期間待たせてしまうと顧客満足度を低下させる原因になります。
対応時には、迅速さに加えて丁寧な言葉や接し方を心がけることも必要です。
そうした対応力はユーザーに安心感を与え、リピーターとして長期的に自社を利用してもらえるような関係性を築くきっかけとなります。
気持ちよく利用できるお店だと思ってもらえるような対応を心がけましょう。
ユーザーが満足できる返品処理対応を提供できたら、返品対応に関するレビューを依頼するのがおすすめです。
「良い対応をしてもらえた」という好意的なレビューが増えれば、お店の評判も自然と上がっていきます。
レビューを集める方法は、店舗であれば店内にアンケートを設置する、ECサイトであればネット上に口コミを書いてもらうなど様々なやり方があります。
最近では、店内のデジタルサイネージに表示されたQRコードをスキャンするとアンケートページにアクセスできるような方式も活用されています。
返品処理を専門業者にアウトソーシングすると、プロのノウハウに基づいたスピーディーで正確な返品対応が可能となります。
スピーディーで正確な返品は顧客満足度の向上につながり、リピーターを増やすきっかけにもなります。
また、返品処理にリソースが割かれると、コア業務に集中できる時間も大きく削られます。
時間と手間のかかる業務をアウトソーシングすることで、自社商品の販売に注力できるというメリットもあります。
ここまで、返品処理の流れや顧客満足度向上のためのポイントなどについて解説してきました。
スムーズな返品処理を行うための体制を整えることは、ユーザーに信頼感をもたらし、リピーターを増やすきっかけにもなります。
しかし、自社で返品対応を行うと、品質維持の難しさやリソース不足などの課題に直面することにもなります。
そうした課題や問題を未然に避けるためにも、返品処理は豊富な実績を持った専門業者へアウトソーシングすることをおすすめします。
注文、決済状況、在庫引当の確認をし、倉庫へ出荷の指示を出します。
問い合わせ、返品交換、クレームの対応等の電話での顧客対応します。
卸会社やメーカーから、トラックまたはコンテナで入って来る商品を受付し、その後、数量が正しいかチェックします。
商品を任意のロケーションに収めて、WMSに登録します。
注文があったら取り出せるように、所定のロケーションに商品を置きます。
注文が入ったら、保管された商品を、注文数分取り出します。
出庫された商品の数量が注文数とあっているか確認をし、所定の箱に梱包し、配送送り状を貼付します。
梱包された商品を配送方面別に仕分けし、配送会社へ引き渡しを行います。
何らかの理由で一度出荷した商品が倉庫に戻ってきて、それを受付け、場合によっては内容の確認を行い、荷主に報告します。
一度決済が完了した注文が、キャンセルまたは返品となり、その金額を消費者にお返しします。