物流においてShopifyと連携するメリットとは? 注意点や導入事例もご紹介

ECサイトを運営する企業の間で広く支持されているECプラットフォーム「Shopify」。これからECサイトを立ち上げようという企業からも注目を集める存在ですが、「どのように導入すればいいのかわからない」「本当にメリットがあるのだろうか」とお考えのご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、物流においてShopifyと連携するメリットや注意点、実際の導入事例までわかりやすく紹介します。

Shopify(ショッピファイ)とは

Shopifyはカナダを拠点とするECプラットフォームで、ECサイトの制作や運営を簡単におこなえるクラウド型のサービスです。自社でサーバーを用意しなくてもアカウントを作成するだけで本格的なECサイトが構築できるため、世界中の企業から大きな支持とシェアを獲得しています。

世界中の言語と通貨に対応しており、国内や海外の大手運送会社と提携していることから、越境ECを目的としてECサイトを運営している企業に選ばれているのも大きな特徴です。

Shopifyの主な機能

Shopifyの機能は「フロント機能」と「管理機能」の2種類に分かれています。

フロント機能は、ユーザーが閲覧する商品ページや決済前の商品を保存するためのショッピングカート、購入処理のためのチェックアウト機能、購入者の注文情報一覧を表示する顧客管理機能など、ユーザーの商品購入に関する便利な機能が揃っています。

管理機能では、ECサイトの基本設定やオンラインストアのデザインテンプレート設定、FacebookやInstagramなど他の販売チャネルとの連携、受注データ管理、商品管理や在庫管理などが可能です。決済や配送設定、ストア分析やマーケティングなどさまざまな機能が用意されており、Shopifyだけで運用を完結できる高い実用性を備えています。

物流においてShopifyを導入するメリット

物流においてShopifyを導入するメリット

Shopifyを導入すると、次の5つのメリットがあります。

物流の業務負担の軽減

Shopifyを導入することによって、物流の業務負担を軽減できます。

Shopifyではさまざまなデータが自動的に取得されダッシュボードにリアルタイム表示されることから、自社の受注状況や在庫状況がひと目で確認できます。また、在庫管理や配送管理などの物流業務はパソコンやスマートフォンからでもおこなえるため、どこからでも作業ができるという魅力もあります。

さらに、MA(マーケティングオートメーション)ツールやCRM(顧客管理システム)などの業務支援ツールとの連携も可能であり、物流に関わるあらゆる業務の自動化が実現し、業務効率化につなげることができます。

低コストでの導入

Shopifyはベーシック、スタンダード、プレミアムの3種類のプランがあり、ベーシックプランであれば月額29ドルから利用できます。1ドル=110円で換算しても月額3,190円と手頃な価格で使えるため、EC運用の負担になりにくいのがメリットです。

ベーシックプランでも基本機能はひと通り揃っており、管理用のスタッフアカウントも2つ発行できるので、小規模なECサイトの運営であれば問題なくカバーできるでしょう。

在庫マネジメントや配送面の対応が充実

Shopifyは在庫マネジメントや配送機能が充実しているため、現場の運用を効率化してスムーズに受注処理が進められます。

在庫は注文とともに自動的に引き落としがかかり、在庫が0になった時点で受注をストップしたり、予約時にはマイナスになっても受注を継続したりと柔軟な設定が可能です。ロケーション管理はベーシックプランでも4ヵ所まで指定できるため、複数倉庫を運用している場合も安心です。

配送面ではヤマト運輸や佐川急便、日本郵便など国内大手の運送会社の他、FedEx、UPS、DHLといった海外大手運送会社とも提携しています。国内外に希望の方法を選択して商品を発送できるのもShopifyの強みです。

越境ECにも対応可能

Shopifyは海外向けの商品販売も可能であり、発送先の国や地域によって配送料を個別に設定するなどの細かい処理が可能です。50以上の言語と130以上の通貨に対応しているため、越境EC進出先の国のローカルな決済方法にも対応できます。

また、海外へ商品を発送する際は関税の計算やインボイスの発行など国内への発送とは異なる処理が必要になりますが、Shopifyなら税率の自動計算や運送会社別の配送料比較などにも対応しています。

他の管理システムとも連携可能

通常機能だけでも十分に機能性の高いShopifyですが、他の管理システムと連携できるのもメリットの一つです。国内外のさまざまな企業がShopify向けのアプリを提供しており、ショップ運営や配送業務を便利にする機能を提供しているため、自社に必要なものを選んで柔軟に取り入れられます。

カスタマイズ性が高く、APIを活用して物流システムや物流代行サービスと連携し、受注情報を取り込むことで受注業務の自動化を実現している例も数多くあります。

Shopifyを利用する際の注意点

Shopifyはカナダを拠点とする企業であり、一次情報は英語で提供されています。そのため契約までに苦労する可能性もあり、無事に契約できたとしても、英語を苦手とする現場においては実際の運用にたどり着くまでに時間がかかったり、途中で挫折してしまったりするリスクもあるでしょう。英語に強い人材が社内にいる、もしくは運用を依頼できる委託先がある状態で契約するのがおすすめです。

また、デザインテンプレートから選択するだけで機能性の高いECサイトを構築できるのはShopifyの強みですが、より複雑な表現を求めているのであればHTMLやCSSによるカスタマイズが必要不可欠です。専門知識がない場合は、制作会社に依頼するコストが発生する可能性もあるため注意が必要です。

さらに、Shopifyはサポート体制がまだ十分ではないという点も意識しておかなければなりません。現在では日本語によるお問い合わせフォームも用意されていますが、回答には数日かかることもあり、アプリやデザインテンプレートなどの質問には適切な答えが返ってこないケースもあります。

Shopify導入がおすすめの場合とは?

これから初めてのECサイトを構築しようと考えているのであれば、さまざまな機能が用意されデザイン性の高いECサイトを簡単に開設できるShopifyはおすすめのプラットフォームです。毎月29ドルから利用できて初期費用もかからないため、システム導入コストを抑えたいと考えている企業にも向いています。

また、前述のように海外販売向けの機能も充実しているため、越境ECを視野に入れている場合もShopifyの導入が適しています。

Shopifyの導入に不安がある方は物流代行サービスの活用がおすすめ

Shopifyを導入すべきか迷っている場合や、導入したいと考えているものの自社だけで準備を進めるのが不安な場合は、物流業務のアウトソーシングを活用するのがおすすめです。

物流代行サービスなら、自社にシステム導入が必要なのかどうかも含めて物流の運用体制をプロの視点で総合的に設計してもらうことができます。Shopifyが適しているのかどうかを見極められるだけでなく、社内の物流を最適化して効率の良い体制を構築できるため、社内リソースの確保や運用コストの削減にも役立ちます。

自社だけで最適な物流体制を構築することは難しく、どのように準備を進めればよいのかわからないこともあるでしょう。また物流構築には設備投資や人材採用などをおこなう必要もあり、費用対効果が見合わない場合も少なくありません。

そのような場合でも、物流代行サービスなら必要な時に必要な分だけ物流業者が所有するリソースを利用することが可能です。物流のために人材を確保する必要もなくなるので、自社の中でより重要度の高い業務にリソースを集中させることができます。

エスプールロジスティクスでも、Shopifyの導入支援を行っております。物流のプロの目線からShopifyの導入が最適なのか判断し、導入から運用までサポート致します。Shopifyの導入を検討している方は一度ご相談ください。

Shopify対応の物流代行サービスを選ぶ時のポイント

では、実際にShopify対応の物流代行サービスを選ぶ時にはどんなことを意識しておけばよいのでしょうか。その3つのポイントについて解説します。

BtoCの物流に対応しているか

BtoCの物流に対応しているかどうかは、自社がBtoCビジネスをメインにしているのであれば当然ながら外すことができないポイントです。物流業者によってはBtoBのみを対象としたサービスを提供している場合もあるため、ECなど一般消費者を相手にしたBtoCのビジネスモデルを採用している事業者でも利用できるサービスかどうかを必ずチェックしましょう。

料金体系や委託業務範囲は明確か

設定されている料金体系やサービスの対象範囲は物流業者によってさまざまです。検討中の物流代行サービスがどのような料金体系になっているのかを確認しましょう。

また、物流業務のどの範囲を代行してもらえるのかも詳細に確かめておきましょう。物流業務のほとんどを委託できるケースもあれば、出荷や配送、流通加工など一部の業務のみ委託できるケースもあります。自社の状況に見合った適切なサービスを選択するためにも、サービス内容をしっかりと把握しておくことが大切です。

柔軟な対応が可能か

物流業務は事業者によって多種多様な運用体制があるため、柔軟な対応が可能かどうかもチェックしておきたいポイントです。どの物流代行サービスも基本的なサービス内容はある程度決まっているケースが多いといえますが、そこから柔軟にカスタマイズして自社の要件に合わせられるかを確認しておくことをおすすめします。

まとめ

ここまで、物流業務をShopifyと連携するメリットや注意点、実際の導入事例などについてお伝えしてきました。

Shopifyは海外生まれのプラットフォームですが、機能が豊富で世界中の企業に選ばれている人気のサービスです。越境ECにも対応しており、配送手段も柔軟に選択できるため、これから新しくECサイトを構築したいと考えている方には特におすすめです。ここで紹介したメリットや事例を参考にしながら、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。