special feature 障がい者雇用支援
ノーマイラゼーションの実現と
障がい者の社会的・職業的自立を支援する
「わーくはぴねす」な農園
vol.01
障がい者がごく普通に暮らし、地域の一員として生活できる「ノーマライゼーション」を実現するため、日本の企業には、障害者雇用促進法で定められた一定数の障がい者を雇用することが義務づけられています。障がい者雇用に積極的に取り組む企業は増加していますが、採用は身体障がい者に集中しています。知的障がい者や精神障がい者については、社内に適した業務が少ないと考えられ、依然として雇用は進んでいない状況です。特に知的障がい者の就業機会は非常に少なく、経済的な自立の大きな壁となっています。
そのような中、エスプールプラスは「一人でも多くの障がい者雇用を創出し、社会に貢献する」という理念のもと、障がい者が楽しくやりがいを持ってイキイキと働くことができることを目指す企業に向け、日本初となる企業向け貸し農園「わーくはぴねす農園」の運営を開始しました。
18~65歳の障がい者の
就職率
16%
障がい者がイキイキ働き、定着率92%の職場
「わーくはぴねす農園」は、エスプールプラスが所有する農園を複数の企業に賃貸し、企業に雇用された障がい者が働く共同農園。「安全・清潔」をモットーに、重度の知的障がい者も安心して就業できる環境を整備しています。
雇用場所の提供だけでなく、障がい者の採用、定着支援を実施。また、企業が農園に配置する管理者には、近隣の主婦・主夫層やシルバー人材を紹介し、地域の雇用創出にも大いに貢献しています。
「わーくはぴねす農園」は2024年8月現在、全国51施設まで拡大。農園を利用する企業は大手企業を中心に651社まで増加し、障がい者4,243名の一般就労が実現しています。97%の企業に継続して農園をご利用いただいており、農園で働く障がい者の定着率は、過去12年間で92%です。
すべての人々が幸せになれる仕組みを目指して
「わーくはぴねす農園」の誕生により、約4,200名の一般就労が実現しています。しかし、日本社会を見渡すと、知的・精神障がい者の就職率は依然として低く、作業所などで月1~2万円の収入しか得られない障がい者が数多くいる現実があります。また、2026年7月から障がい者の法定雇用率が2.7%に引き上げられる予定で、企業にはより一層の障がい者雇用が求められていますが、障がい者の業務選定がうまくいかず、ミスマッチを招いているケースも少なくありません。
私たちは、すべての障がい者が無理なくイキイキと働くことができる社会を目指し、「わーくはぴねす農園」を拡充していきます。そして、農業に限らず、障がい者が自身の個性にあった働き方ができるような仕組みをつくっていきます。すべての人々が「働く幸せ(ワークハピネス)」を体感できる社会を創り上げることが、私たちのゴールです。
column
「わーくはぴねす農園」の活用で 障がい者雇用と社員の意識改革が 進んでいます
当社はSMBC日興証券の特例子会社で、障がい者が能力を存分に発揮できる就労環境の提供と雇用の促進を目的に、2015年4月に設立されました。社員が増加し、障がい者の社員が高齢化する中、障がい者雇用をさらに推進しようと、2015年9月に「わーくはぴねす農園市原」(千葉県)に「みらんファーム」を開設しました。2016年からは農園を利用した「ノーマライゼーション研修」を開始。現在までに約180回開催、受講者は約700名に上る人気研修となり、受講した社員の「心のバリアフリー化」が進んでいます。
「お客さまと共に発展し、最高の信頼を得られる会社を目指す」「多様性を尊重しつつ、一体感の中にも個性の発揮できる職場をつくる」。SMBC日興証券グループのこの経営理念を体現している場所こそ「みらんファーム」であると、心から感じています。
日興みらん株式会社
取締役 総務担当兼事業部長
松川 治 様