物流管理の基礎知識！目的や課題、システムについて解説

まず、物流管理を徹底することによって物流業務全般を円滑に進行するという目的があります。「どの商品をどういった形で顧客に届けなければならないのか」を正確に把握できていれば、それぞれの配送方法に応じて最適な物流計画を策定することが可能となります。

また、物流業務を円滑に進められれば現場の生産性が大きく向上して人件費などのコスト削減につながるだけでなく、従業員の業務効率がアップして長時間労働の抑制も実現できます。

物流管理において大事なのは、お客様へお届けする商品の管理です。欠品がないか、品質はお客様に届けられる状態に維持されているか、商品の種類や数量は正しいか、納期が守られているかなど、チェックしなければならない要素は数多くあります。

仮に注文が入った商品が欠品していると、発注が必要になって配送までに時間がかかったり、メーカー在庫がない商品についてはキャンセルせざるを得なくなったりします。そのため、欠品の有無や欠品している商品が再入荷する時期を把握しておくことは非常に大切です。

ほかにも、商品に初期傷のあるものや不良品が混ざっていないかどうかを詳細に検品すること、出荷する際にお客様が注文した商品の種類や数量、納期を間違えないこと、商品が配達中に破損しないような発送前の梱包などにも注意が必要です。

もし間違えた商品を発送してしまうとお客様からの信頼を失ってしまうだけでなく、クレーム対応が発生してカスタマーサポートにかかるコストが増大します。
物流の品質低下が常態化すると、運営しているECサイトの売上が落ち込むリスクも発生します。だからこそ日頃から物流管理のサービス全般に注力する姿勢が重要なのです。

配送件数が多い場合には、作業効率を上げるシステムを導入する事で業務を最適化することができます。物流管理全般に業務システムを導入し、それぞれ見える化することで物流コストを最適化させ、不要な費目のコストカットをすることが可能です。

物流業務においてよく用いられるシステムとしては、倉庫業務を効率化するためのWMS（倉庫管理システム）や、出荷後の配送業務を効率化するためのTMS（配送管理システム）などが挙げられます。

コロナ禍による生活変容を機にネットショッピング需要が高まりを見せています。それに伴い、物流サービスもこれまでにないほど重要性が高まっています。このニーズ増加に応えるためには、物流管理をしっかりと行う必要があります。

物流管理を行うことは、在庫保管環境の改善によるビジネス効率化や適切かつ迅速な配送による顧客満足度の上昇など、同業他社との差別化にもつながります。物流管理を重視することは、自社の利益率向上を実現する近道なのです。

自社の物流をどれだけ効率化できているのかを計測する指標として「物流KPI」を設定し、定期的に成果を振り返って目標を達成できているかどうかを確かめましょう。そのうえでPDCAサイクルを回し、効果が不十分な部分については改善を重ねていくことが大切です。

物流現場で利用されるKPIについては、前述のように「コスト・生産性」「物流・配送条件」「品質・サービスレベル」の3つの視点が活用されるケースが多くなっています。自社の運用状況によっても適切な指標は異なるため、自社がどの指標を選ぶべきなのかをあらかじめ検討したうえで最適な指標を採用しましょう。

通販のニーズが高まる中で顧客満足度を満たすサービスを提供するには、効率の良い物流管理をすることが欠かせません。そのためにも必要となるのが管理システムの導入です。

管理システムには、主に倉庫業務を効率化するための「WMS（倉庫管理システム）」や、輸配送業務を効率化するための「TMS（配送管理システム）」があります。

WMS（倉庫管理システム）とは、正式名称「Warehouse Management System」の略称であり、物流センター全体の倉庫管理するデジタルツールを意味します。

物流管理の現場でこのシステムを導入すると商品の入出庫のスピードアップだけでなく、在庫をデジタルで確認できるため、出荷ミスを減らすことが可能です。ほかにもロットの管理や倉庫内の温度管理にも対応しています。

またこのシステム導入すると、倉庫全体の管理をデジタル化するだけでなく、倉庫を管理する人員も減らせるので、作業時間の短縮と人件費の削減につながります。

WMSについて詳しくはこちらをご覧ください。

>> WMS(倉庫管理システム)とは？導入のメリット・デメリットから事例まで紹介

TMS（配送管理システム）とは、正式名称「Transport Management System」の略称であり、商品が物流センターから出荷されお客様へ届くまでのフェーズを管理する情報ツールのことです。配送で使う車の台数を自動的に割り当てるとともに、GPSを装置した配送車がどこにいるかなどの情報も確認できるようになっています。また、荷主ごとの運賃データを出力したり、配送ドライバーの日報を自動的に作成したりする機能も備わっています。

自社が持つトラックなどの輸配送資源を効率的に活用できれば、物流全体のコスト削減や生産性の向上にもつながります。同時にドライバーの稼働状況なども可視化できるため、生産性がなかなか上がらない運転手へ個別にアドバイスするなどの対応も可能になります。